事故情報

1.簡易ボイラーの破裂事故

本事例は、真空式温水発生器(労働安全衛生法の適用を受けないもの)の煙道に設置していた簡易ボイラーが異常昇圧により破裂した事故である。

1.災害の概要

業種:その他のサービス業
災害の種類:破裂災害(事故)
人的被害:軽傷者1名
物的被害:簡易ボイラー全損他

2.簡易ボイラーの構造(図1)

当該ボイラーには、銘板がなく製造年月や製造者名は不明である。また、図面等もなかったが現場調査で下記事項が判明した。
最高使用圧力:P=0.015MPa
内容積:V=0.19m3(円筒胴0.177 m3、鋼管0.013 m3
適用:簡易ボイラー
伝熱面積:3.9 m2
円筒胴内径:740mm
円筒胴長さ:640mm
円筒胴板厚:1.0mm
円筒胴材質:ステンレス
円筒胴内部は内径200mmと80mmの煙管があり、それに外径15mmの銅管を巻いている構造となっている。(胴の長手継手は胴板の端部をL字に曲げボルト止めしている)。

3.簡易ボイラーの使用状況(図2)

このボイラーは真空式温水発生装置の煙道に取り付け、その排ガスの熱を利用して次の用途に利用している。

  1. 駐車場等のロードヒーティング用不凍液の加熱(第1系統)
  2. ストレージタンクの給水予熱(温水加熱)(第2系統)

第1系統は、円筒胴内部の煙管の外側に外径15mmの銅管を巻きつけ、その中に不凍液を入れ第2系統の温水により間接加熱して循環させている。
第2系統は、円筒胴内の煙管を除く空間部分に水が入り、排ガスの熱により加熱され給湯用ストレージタンクへ送られる。
当該ボイラーは真空式温水発生装置を設置した当初はなかったが、省エネルギーを目的としていつの頃か設置され、また、経営者が代わった際にも書類等の引継ぎがなく詳細は不明である。点検についても設置以来、一度も行われていない。

4.災害の発生状況

事故当日、午前9時30分頃、職員が真空式温水発生装置の起動スイッチを入れ、その後、ボイラー室は無人で自動運転されていた。
午後8時25分頃、突然ボイラー室で破裂事故が発生した。(写真1~4)
真空式温水発生装置本体の破損等は一切なく、また、火災も発生しなかった。
ボイラー本体と煙道の一部が床に落下しており、胴の部分が破裂し、その一部が飛散していた。
破裂したその衝撃でボイラー室のドアが吹き飛び、その破片が付近を歩いていた人の左腕にあたり負傷した。

写真1.jpg写真2.jpg写真3.jpg写真4.jpg

5.発生原因

真空式温水発生装置本体、バーナ等に異常が見当たらず、真空式温水発生装置のガス爆発ではない。
そこで事故発生の原因としては、簡易ボイラーの損傷状況からみて当該ボイラーの第2系統の給水出入口が第1系統の温度をあげるために閉止され、ボイラー内が密閉された状態となり、また膨張タンクへの逃し管を閉塞していたと推定される。
そのため、内部の水が加熱され内部圧力が上昇するに至った。

6.再発防止対策

本事例のような法令上検査不要の簡易ボイラーの場合においても、構造規格の具備は当然のことであり、安全装置を含め、設備の定期的な点検、整備を行うこと。



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