事故情報

2.温水ボイラーに付設された貯湯槽の破裂事故

1.事故を発生した貯湯槽の仕様

種類:貯湯槽
適用規格:適用外(32A溶解栓2個取付け)
最高使用圧力:0.1MPa
槽板厚・材質:t6 SS400
内容積:1.6 m3
設置:昭和57年

2.ボイラーの仕様

種類:温水ボイラー(電気防食装置付)
適用:簡易ボイラー
最高使用圧力:0.1MPa
温水温度:往き80℃、返り60℃
伝熱面積:3.2 m2
設置:平成7年

3.災害の概要

温水ボイラーに付設された貯湯槽が大音響とともに破裂爆破し、写真1、2のようにマンホールの上で縦(長手)方向に裂け、胴板が大きく左右に開口した。その時の爆風により、ボイラー室の扉(写真4)およびボイラー室から一つ部屋を隔てた電気室の扉が損壊したが、幸いなことに人的被害はなく、またボイラーにも被害はなかった。

4.貯湯槽等の使用状況
  1. 貯湯槽は、24時間連続で運転している温水ボイラーとの間で常に温水を循環し、1日約8回1回約400リットルの温水を貯湯槽下部の排水管に取付けたポンプを利用して使用先へ供給していた。事故発生の10日ほど前から施設は休みに入り、温水を使用しなくなっていたが、ボイラーは継続して運転していた。
  2. 温水ボイラーの内部には、電気防食作用により「水の電気分解」による水素と酸素のガスが発生するが、ガスは温水と一緒に貯湯槽内に運ばれ、自動空気抜弁から放出するようになっていた。
  3. その他貯湯槽は、設置してから20年以上経過し、数年前に腐食漏洩部の肉盛補修(写真5)を行うなど内部全面で著しく腐食が進行していた。

5.事故発生原因
  1. 貯湯槽に設けられた自動空気抜弁の配管が、腐食により閉塞(写真6)し、ガスが抜けない状態になっていた。(配管は相当前から閉塞していたと思われるが、貯湯槽内に貯まるガスは一定量を越えた際に、貯湯槽下部から温水と一緒に外部に放出されていたと考えられる)
  2. 施設が休みに入った後も温水ボイラーを運転していたため、引続き発生した水素・酸素のガスはどこからも抜けることなく滞り、それにより貯湯槽内の圧力が徐々に上昇していった。
  3. この圧力上昇により、写真3の破断面に見られるように著しく腐食が進んでいた貯湯槽の一部が破断(破孔)し、そこからガスが勢いよく噴出した。この噴出するガスと破断部との間に摩擦による静電気が発生し、その放電の火花によって着火し爆発に至ったものと思われる。
6.対策
  1. 貯湯槽の最上部の自動空気抜弁は、定期的に点検を行い、その機能維持に努める。
  2. 貯湯槽本体の材質がSS材のため腐食し、そのスケール・さびが発生して空気抜弁が閉塞したこともあり、本体内面を定期的に防食塗装をするか、または耐食性のSUS材を使用するのが望ましい。



このページのトップへ